●2004.4/後ろの方:晴れ
「未来の無い未来・凛」

 Fateキャラのコスプレは、圧倒的に凛が多いです。それだけ女の子に愛されているキャラクター。一番ハッピーで、一番希望のある物語が凛のストーリーです。彼女と士郎の物語は、ここで終わりません。Fateは一つのエピソードで発端、これから先が本番です。

 この物語によって明かされる士郎自身の未来は、士郎にとって希望に満ちたものでは有りません。というより、絶望が約束されています(笑)。ですが、凛と一緒に歩む事によって、”未来の無い未来”を変えれるかも知れないと思える、そんな未来に向けての始まりで物語りは終わります。凛と一緒ならば、きっと。

 ですが、そんな士郎の事情はお構いなし(笑)。自信と信念と努力でもって凛は自分らしく生きていくのでしょう。そう、彼女はパーフェクトです。

 ”パーフェクト”彼女を形容する言葉はコレでしょう。なんといっても、”欠点もちゃんと持っている”という無敵のパーフェクトっぷりです(笑)。美人で勉強も出来てアイドル的存在で〜と言った外面の良さと、その実わがままで気になる人をからかうのが好きでと言った素顔を持ち、影では常に努力を怠らず、それに裏打ちされた自信を持って行動するといった具合に、非の打ち所が有りません。その上、朝に弱く起き抜けの顔が面白かったり(私はカワイイと思う(笑))、普段は完璧なのにここ一番でドジだったりと、”完璧ではない”点まで持った完璧さです。正にパーフェクト。

 シロウはセイバーと一緒に生きていく事は出来ません。ですが、凛と一緒なら、士郎は未来に何が待ち受けていようとも生きていけるでしょう。未来は、きっと変えれるはずだから。

●2004.4/後ろの方:晴れ
「影のヒロイン・桜」

 Fateを未プレイの人は、何故彼女がパッケージに大きく出ているのかわからないのでしょう(笑)。ヒロインの一人らしいのだけど、地味そうな女の子、きっとそう思うはずです。しかし、彼女の物語でFateは全ての謎を解き明かしグランドフィナーレと成ります。影のヒロイン、影の主役。そして、あらゆる意味で彼女には”影”が付きまといます。

 主人公を「先輩」と慕ってくれる、日常のシンボルである彼女こそが、実は最強最悪の非日常だったという逆説が最後のルートで明かされます。やってるうちは、ある意味救いが見当たりません(汗)。痛々しいとか、可哀想を軽く通り越した悲惨さとか、そんな形容詞を有らん限りの修飾語で飾り立てても彼女の身の上は語り尽くせません。その上、彼女は”先輩のそばにいたい”と”先輩にはそのままで居て欲しい”と言う矛盾した望みゆえに、「先輩」に最も望まない選択を強いる事になります。

 ”彼女を取る”という選択をした時、主人公はそれまで信じたものを全て裏切ります。

 ”セイバールート””凛ルート”で、”シロウ”と”士郎”が守り続けた信念。それぞれの結末にたどり着けた所以の行動理念。全て、破り捨てます。最後の最後の物語で、それまでの別の自分が歩んだ物語をある意味否定します。それは彼女が望んだことではないし、主人公が望んだわけでも有りません。まったく、救いなんて有ったものでは有りません、ここら辺までは。

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