しかもこのルート、セイバーはほとんど話しに絡んできません。本当に看板ストーリーを背負っていたのかと疑いたくなるくらいのかませ犬ップリです(汗)。見せ場は有るのですが、嫌な見せ場(笑)。その頃、私の操る”先輩”は覚悟を決めているので何があろうとも躊躇する事がありません。「桜の味方をする」と決めた時、それ以外の全ては捨ててあります。彼女は物語の幕引きを待たずして舞台から降ります。

 あと、このルートは「奈須きのこワールド」が色濃く出ています・・・知っている人向けサービス大盤振る舞い(笑)。Zガンダムにアムロが出てきてわくわくしていた人達(私とか(笑))は文句なく楽しめるのですが・・・青本とか持ってない人にはどうなのでしょう(笑)?私は楽しかったんで問題なし!・・・あ、アムロは出てきません、せいぜいカイでしょう(笑)。

 そしてラスト、正にグランドフィナーレと言った感じの、大団円。全てが丸く収まったと言うわけではもちろん無いのですが、そういう選択をした以上、望みうる最高の締めくくりです。なんせ、セーブデータのタイトルがグランドフィナーレですから(笑)。この桜ルートで、Fateは全ての謎を解き明かして幕を閉じます。

 ・・・そして、そこにはセイバーの姿はありません(汗)。


●2004.4/後ろの方:晴れ
「閑話休題・選択肢と設問」

 プレイ中に提示される設問を見るたびに思ったのですが、奈須きのこと言う人は、学生時代、「現国」は試験勉強なんかした事が無いくせにに、妙に成績が良かったのではないでしょうか。・・・私はそうでした。

 主人公が何を考えているか、前の文脈からどういう状況に今居るかを読み取れば、次にどういう行動をするべきかおのずと答えは出てきます。これは、デタラメにストーリーを派生させる為の、ゲーム的な”選択肢”ではなく、答えを用意された”設問”でしょう。正解の対価は、ストーリーの続き。テストで点もらうのより、価値のある対価です。

 信じられなかった事ですが、国語や現国でどうしても答えのわからない人と言うのが確かに居ました。「その時主人公がどう思ったか答えよ」とか、「”それ”がさすのは何か?」とか言うアレ。私にとっては、ただで点くれるようなサービス問題満載のテスト用紙が「国語」であり「現国」であったのですが・・・彼らはなぜ答えがわからなかったのでしょう?・・・てな事をFateをやりながらふと思い出してしまいました。

 たとえば・・・とここでFateを例えに出すと、あからさまにネタバレなので月姫にしておきます(笑)。アルクサイドのストーリーだと、敵は志貴の事を全く脅威と考えていません・・・まあ、当然と言えば当然なのですが。このルート群で志貴の取るべき行動は、速攻一撃二の手無し。駆け引きだの、間合いのやり取りだのをしたら殺されます。はなっから化け物とただの人では勝負になりません、戦い以前の問題です。唯一の手札を使って、インチキで勝ちます・・・それ以外に勝ちようが無いから。ところが、次の遠野ルートでも同じように行動しようとしたら、即死にます。こちらのルートの敵は、化け物じみた人間か、人間よりの化け物。主人公の出自を知っていたりもして、コチラを侮った行動は取りません。正面から攻めようとすると、罠にはめられ殺されます。注意深く、駆け引きも駆使し、持てる能力を総動員して相手をしとめます。どちらも主人公の能力は同じですが、敵が何を考えているかを読み取る事で、行動の正解は異なります。文章だけで”ゲーム”が楽しめる・・・凄い事です。
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