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■一丸生徒会:副会長■
本学 N美
私の家は、古い旧家です。
おじい様と周りの者達からの、大変な期待を受けて
育てられました。
その期待は大きかったけど、
さしたる苦労も無く、私はきちんと答えてきました。
その期待は、実現不可能な要求では無かったし、
無理や無茶は、御老体たちも決して言って来ません。
あくまで、求められるのは旧家の名を護ることだけ。
だから、子供の時喧嘩を仕掛けてきた彼女が、
うらやましかった。
その、前に進む為に敵を求める生き方が。
私の前に立つ彼女を見てさえ、
私は彼女を敵として捉える事が出来ないでいる。
勝ち誇る、彼女を見てさえ。
私の敵は、私の名。
古き家、いにしえの血、名誉、家柄。
どうやったら勝てるというのだ?
・・・彼女がうらやましい。
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